園児の保護者がこのホームページを見て保育所に連絡、保育所との話し合いで実現しました。
1994年に人見保育園の子供達が先生と遠足の帰りに電車を利用し訪れ、入浴体験しましたが、基本的に銭湯、外風呂の経験が無い子が多いですから、風邪をひかれる等心配があり、通園バスの用意等、交通手段の確保ができるとして話し合いを進めてきました。
今回保育所の子供達は、電車と徒歩で訪れるというのです。保育所は栄町にあり、大盛湯のある湯川町とは正反対の場所です。電停まで徒歩10分、電車で1時間の旅です。4歳、5歳のチビッコ達大丈夫でしょうか?子供に負担がかからなければ、これからの体験入浴会の活動範囲が広がる事になり、市電、市バス等公共の乗物を利用する事で公共マナーの学習にも幅がひろがります。私は今回チビッコ達といっしょに電車体験をしてみようと思い、朝9時に保育所に向かいました。先生に、子供達は何日も前から楽しみにしていたと聞かされました。ウーンなんと元気なチビッコ達でしょうか。
9時30分になりました。さあ出発です。電停まで10分ほど歩きます。この地域はあまり人が日中でも見ないようですが、チビッコの群れにおばあちゃんや建設中の大工さんが「やーどこいくの」と声を掛けてくれます。先生に伺うといつも保育所周辺を散歩してるそうで、地域のみなさんに愛されている様子がひしひしと感じられ、思わず微笑んでしまいました。電停で待つ事数分電車が来ました。湯川終点まで1時間の旅が始まります。私は市電に乗るのがなんと20数年ぶりで、いつもは景色など見る余裕も無く車を運転していますが、電車から見るゆっくりとした時間と景色の流れで心身ともにリフレッシュし、急ぎの用事でもない限り電車やバスを利用しようと思いました。
チビッコ達の様子はどうでしょう。電車に乗った事の無い子もいると聞いていましたが、先生方もそうですが、乗客のおばあちゃんが優しくチビッコ達に声をかけています。「どこからきたの」「どこへいくの」「へー温泉に行くの」。
子供達にとって1時間はながいでしょう。たいくつもするでしょう。そうしたら騒がないまでもソワソワ落ち着きが無くなります。周りの大人達の声かけで、子供達は騒ごうとしません。自然とマナーが身についてきます。銭湯に置き換えると声をかけるのは昔から番台の仕事です。大盛湯は1991年に新築した際番台をやめ、これからの商売を考えお客さんに背を向けるカウンター式にしました。私は新築直前に銭湯を継ぎ、職業としての経験も浅く、番台にあがった経験も無い私が、お客さんに背を向け「公共マナーを守ろう」と言っている自分が恥ずかしくなりました。
落ち込みましたがチビッコの体験入浴の期待を考えると、いつもの自分にもどります。
さあ湯川終点に着きました。乗車券を子供達は各自車掌さんに渡します。これも学習の一つです。私が子供達を連れて歩道に渡ると八百屋さんのご主人とお客さんが「これから、みんなでお風呂かい」と微笑みながら声をかけてくれます。体験入浴会も根付いてきたと感じました。
大盛湯に着いて少し休んで体験入浴の始まりです。まずは紙芝居でお風呂に入るマナーを学びました。保育所の近くに函館公園という大きな噴水のある公園を思い出しました。
マイナスイオンの話をした所、ちょっと難しいかなとは思いましたが、子供達は噴水の気持ちよさをわかっている為、理解してもらえたと思います。子供達は行儀よく服を脱いでお風呂に入り長旅の疲れを落としました。入浴後は、お楽しみビン牛乳です。銭湯の牛乳の飲み方(そんなのある?)を子供達に披露し、チビッコ達は腰に手を当て壁のポスターを見てグイと飲み「ウーン」と大満足。悪い事教えています。そして昼食をとり、体験入浴会は終了しました。
今回の体験入浴会は公共の場で自然とマナーを身につけ、人の痛みがわかるようになっていく事、銭湯もその役目をたいせつにはたしている事が再確認されました。
保育所の子供達ありがとう。引率の先生ごくろうさまでした。
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